見守り
ある人の話であります。
その方が持っているクラスは,比較的規律が守れ,まとまりがあるクラスと評判でした。
元々そのクラスの子どもが優秀であったためもありますが,実際その先生の指導力もあったからそういうクラスになったのではないでしょうか。
しかし,その先生は同じ学年の先生に
「あんないいクラスを持つことはなかなかないよ。」
「今年度はよかったね」
など言われるそうです。
まあ,その人が2年目ということはあるのでしょうが,そんな言い方はさすがにないでしょう。
その先生は,その言葉を聞いて,
「この1年間なんだったんだろう」
と思ったそうです。
そりゃそうですよね。
だって,良い方向に向かっても,結局自分自身に肯定的な意見はない。
むしろたまたまという始末。
そりゃたまたまもあるのでしょうが,それは若手を育てるために言っているのでしょうか。
私には,そうは思えません。
その先生に,どういう方針で日ごろ指導しているか聞きました。
「大人になって恥をかかない,最低限を教える」
とのことです。
確かに,この先生は芯が強い。
おそらくぶれない人です。
だからこそ,子どもはついてきたんじゃないかな。
私はそう思います。
そんなこんなで悲しくなっていたそうですが,去年から指導いただいたベテラン先生は
「よく頑張ったね」
と声をかけてくれたそうです。
見てる人は見てるんだなと思いました。
なんというか,このような話を聞くと,少し憂鬱になりました。
まあ,こういう話は,先生と生徒の間でもありそうですね。
私もちゃんと見取りができ,インスパイアできる人間になりたいものです。